過失割合の計算方法|納得できない場合はどうする?
交通事故が起こってしまい、相手方と示談交渉を進めているが、過失割合について納得できないというご相談を受けることがあります。
過失割合とは、交通事故が発生した責任が当事者双方にどれくらいあるのかを数値化したものです。
本記事では、過失割合について詳しく解説をしていきます。
◆過失相殺とは
過失割合は、過失相殺を行う上での計算をするために用いるものです。
過失相殺は、損害の公平な分担という趣旨のもと設けられた制度で民法722条2項に定められています。交通事故の被害者にも過失がある場合には、被害者の損害の中から被害者の過失分を差し引いた金額について、加害者は賠償金責任を負うこととなります。
基本的に交通事故では、もらい事故ではない限り、被害者の過失が0となることがあまりなく、当事者双方に過失があるということが多くなっています。
◆過失相殺の計算方法
過失相殺の計算方法を説明するために、具体的な例を用いていきたいと思います。
AさんとBさんが交通事故を起こし、Aさんが事故の被害者となったという事例を想定します。
Aさんに発生した損害は500万円であり、Bさんに発生した損害は200万円、かつAさんの過失が2割で,Bさんの過失が8割だったとします。
この場合、AさんはBさんに対しては、Aさんの損害500万円にBさんの過失である8割をかけた金額を請求することとなります。
そうすると、Aさんが請求することができる額は400万円となります。
また、Bさんにも200万円の損害が生じているため、Aさんの過失である2割をかけたの40万円をAさんに請求することができます。
AさんはBさんに400万円を,BさんはAさんに40万円をお互いに請求できることになっています。
民法509条で「悪意による不法行為に基づく損害賠償の債務」と「人の生命又は身体の侵害による損害賠償の債務」の債務者はその債務に対して相殺で対抗することはできないことになっています。
交通事故の場合が「悪意による不法行為」に該当することがほとんどないと思われますので,該当するとすれば「人の生命又は身体の侵害」です。交通事故における人身傷害部分の債務がこれに該当します。
したがって,基本的には互いに怪我をしていて,それに対する賠償を求めている場合には,一方当事者の意思表示で相殺することはできません。そのため,裁判になってお互いに賠償請求し合っている場合に出る判決は,お互いがお互いに支払い合えという判決になります。
ただ,示談交渉や和解の段階において,当事者間の合意によって,相殺をすることは可能ですので,相殺することのメリットがあれば相殺の合意をすることがあります。
◆過失割合は誰が決める?
過失割合は誰が決めているのかという疑問があると思います。
もし裁判にまで発展した場合には、裁判所が過失割合を決めることとなりますが、示談交渉の段階では誰が決めるのかということが気になった方も多いでしょう。
過失割合は警察が決めるわけではなく、当事者の話し合いによって決めることとなります。
警察の行う実況見分は過失割合を決める要素となるにすぎません。
特に、交通事故に遭ったことがない方はどのように立ち回ればいいのかがわからず、相手方の保険会社が提示した一方的な過失割合を鵜呑みにしてしまうということがあります。
しかしながら、相手方の保険会社は、相手方の味方であり、少しでも支払う賠償額を減らすために、被害者の方に不利な過失割合を提示しているということもないとはいえません。
◆過失割合に納得できない場合は
過失割合にどうしても納得ができない場合には、弁護士に示談交渉を依頼することをおすすめします。
弁護士に依頼をすることによって、過失割合の相場を知ることが出来ますし,過失割合について交渉するために必要となる証拠の収集に協力してもらうことができます。
証拠としては、現場を撮影した写真や目撃者の証言、ドライブレコーダーの記録などがあげられます。
これらの中に過失割合の修正要素がある場合には、過失割合について修正の交渉を行います。
修正要素の内容としては、脇見運転などの過失や居眠り運転や30キロ以上のスピード超過違反といった重過失、大回り右折、直近右折、早回り右折だったか、などの様々な要素のことを指します。
また、保険会社はとの交渉は当事者本人が行うと感情が入りやすく、交渉がうまくいかないこともあります。弁護士が示談交渉に入ると、冷静で論理的な交渉によりすんなりと話が進むということもあります。
弁護士は賠償金の計算を過去の裁判例から行うため、相手方の保険会社が独自の算出方法により計算した賠償金よりも額が多くなるというメリットもあります。
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