相続人の調査とは
遺産相続にあたり、各相続人は自己のために相続があったことを知った時から3ヶ月以内(これを熟慮期間といいます)に相続を放棄するかどうかを選ぶことができます(民法915条1項)。これがいわゆる相続放棄と言われるものです。
相続とは一般的に家や預金債権など、プラスになる財産を承継することをイメージしますが、借金などのマイナスの財産を承継することもあります。
そして、借金を相続した場合には、相続人が被相続人の借金を支払わなければならないことになります。
このような不都合を回避するために、相続放棄という制度があります。
限定承認が共同相続人全員で行う必要がある(民法923条)のに対して、相続放棄は相続人単独で行うことができます。
ですので、例えば兄弟まとめて一括で相続放棄をすることはできず、1人1人個別に申請を行う必要があります。
相続放棄を行うには、熟慮期間中に家庭裁判所にその旨を申述する必要があります(民法938条)。
また、相続放棄を行うことで、元から相続人でなかったとみなされるため(同法939条)、相続放棄の取り消しは認められません。
相続放棄手続きを自分で申述することもできます。郵送での手続きも可能です。必要書類としては、被相続人の戸籍謄本、被相続人の住民票除票、相続放棄をする相続人(申述人)の戸籍謄本、相続放棄の申述書(家庭裁判所に備え付けてあります)になります(印鑑証明書は不要です)。これらの手続きの費用は3000円程度です。ただし、手続きに不備があると相続放棄ができなくなってしまいますので弁護士等に委任することをお勧めします。
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